日本スペリア社(大阪府吹田市江坂町1―16―15、TEL06―6380―1121、西村哲郎社長)は、研究開発機能と顧客サポート機能の一層の強化を図るため、大阪府豊中市勝部1―9―15に「R&Dセンター」を移転するとともに大幅に拡張した。10月15日に移転を完了、18日から稼働を開始した。
総事業費は約5億円、鉄骨造3階建、敷地面積約1600平方メートル、延べ床面積約2030平方メートル。本社ビル内にあった技術センターと、品質保証部をR&Dセンターに移転。新たに検査装置・製造装置なども導入した。研究開発、営業技術、品質保証の3部門の頭脳と設備を一カ所に集約し相互連携させることで、業務の効率化と顧客サポートのトータル化を目指す。また品質保証部は、ものづくりの現場と物流拠点の近くに置くことで、より的確な業務が可能となった。
同センターは、1階が実証室・解析室・前処理室・セミナールーム、2階が資材倉庫、3階がオフィス・試験室・試作室・環境試験室・電気実験室・合金実験室となっており、リフローシミュレーター、ハイスピードボンドテスター、印刷外観検査装置、マイグレーション検査装置、ヒートショック槽、恒温恒湿槽などの設備を備えている。
さらに、技術センター(営業技術部門)は、鉛フリー化に向けた実証試験、導入後のはんだ槽内成分管理、接合部の解析などを行うため、フローはんだ付装置、リフローはんだ付装置、局所はんだ付装置、波長分散型蛍光X線装置、原子吸光分析装置、固体発光分析装置、高周波プラズマ分析装置、X線CTスキャン透過装置などを設置している。
また、品質保証部は、環境関連対応、製品品質管理などを行うため、デジタルマイクロスコープ、各種分析・測定装置を設置している。
同社では今後、1億円超の追加投資を行う計画で、さらに新しい設備の導入などを図る予定である。
同社は06年、同所に大阪物流センター、豊中工場とともに旧R&Dセンターを建設。数々の新商品開発や課題解決を行ってきた。また、合金やはんだ接合に関する研究をより深めるため、海外の大学など研究機関との共同研究や学会での発表など学術研究の域にまで活動領域を拡大してきた。今年に入ってからは、東南アジアに2拠点を開設(世界合計10拠点)するなど、商品供給のグローバル化を進めている。
研究開発力と顧客サポート力の一層の強化を図るため、R&D施設の拡張と設備の充実化、関係部門の集約が必要と考え、今回の新R&Dセンター竣工となった。
西村哲郎社長は「研究開発、営業技術、品質保証の3機能が合体し理想的な頭脳拠点ができた。パワーアップしたR&Dセンターをフルに活用し、より高度で多様な顧客ニーズに応えていきたい。また学術研究も積極的に進め、その成果を世界に向けて発信し、エレクトロニクス産業界発展のために貢献していきたい」と抱負を語っている。