住友電気工業が子会社の住友電工電子線製品香港(SEPH)を通じ、中国・広東省深圳市に設立した製造・販売拠点「住友電工電子製品(深圳)有限公司」(SEPG、青木朋之董事長)が、このほど稼働を開始した。11年度約600億円の売り上げを目指す。
SEPGは、電子・電気機器に用いられるフレキシブルプリント回路(FPC)、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、及び電子機器用ハーネス3事業共通の製造・販売共通拠点として10年4月に設立、このほど工場が稼働を開始した。
スマートフォンや電子書籍などの電子携帯端末、フラットディスプレイテレビ、さらにゲーム機器などの需要が中国・東南アジア圏をはじめ、グローバルに拡大している。
現在、同社グループは、FPCについて日本・中国・フィリピン・ベトナムで、FFCについて日本・中国・マレーシア・ベトナム・ハンガリーで、また、電子機器用ハーネスについて日本・中国・ハンガリーでそれぞれ生産を行っており、グローバルな需要に対応している。
SEPHは、1994年から中国・深圳市の松崗電子線製造廠でFPC・FFC・電子機器用ハーネスの製造委託を行ってきたが、今後、SEPGがこれら製品の加工・製造事業を継承する。SEPGは、従来のSEPHへの販売に加え、中国現地企業への直接販売、さらに調達を行うことが可能となる。
今後同社グループでは、松崗電子線製造廠で培った製造・品質に加え、営業や事業管理の面でも経営体質を強化し、中国国内及び東南アジア圏を中心に拡大する、グローバル需要に積極的に対応していく。
また、国内外グループ関連会社との連携による生産最適化と、3事業の一体運営によるシナジー効果により、さらなる競争力の強化を図る。
なお、SEPGは、資本金2090万米ドル(約20億円)でSEPHが100%出資。敷地面積約4万6000平方メートル・建屋面積約6万2000平方メートル、従業員は約1万人で、11年度約600億円、12年度約680億円の売り上げを計画している。