10年間でグローバルネットワークに成長したCC‐Linkファミリーであるが、CLPAでは今後の普及に向けた重点活動として大きく次の4点で取り組む。
(1)CC‐Linkファミリーのシームレス通信実現
CC‐Linkファミリーのシームレス通信実現では、シームレス通信プロトコル「SLMP(Seamless
Message
Protocol)」を使い、CC‐Linkファミリー対応機器およびEthernet対応機器の間でネットワークの階層や境界を意識させないシームレスな通信を行う。
SLMPによりイーサネットアダプタという機器を用いることで、CC‐LinkおよびCC‐Link
IE対応機器間だけではなく、TCP/IPに対応した汎用Ethernet機器との間でも通信が可能となる。これにより、汎用のバーコードリーダやビジョンセンサなどを含めた多様なシステム環境において情報統合を実現することができる。
(2)CC‐Link
IEフィールドネット―ワークの機能強化
CC‐Link
IEフィールドネットワークの機能強化では、同期機能の追加で多軸補間などモーション制御を実現する。また、CC‐Link
IE
Safetyについても、一般制御(機械制御)と安全制御を1つのネットワークで実現できるようにすることで、安全制御コントローラ間での安全情報交換や、安全制御コントローラと一般制御コントローラ間での連携した情報交換が可能になる。
(3)エネルギー管理への適用及び、エンジニアリング環境強化
エネルギー管理への適用(環境・省エネ)では、エネルギーの使用状態の可視化(見える化)のためのデータ収集プロトコルや、各種設備のエネルギー管理を行うための制御プロトコルを策定し、オープン化していく。
エンジニアリング環境強化は、フィールド機器のモニタリング、パラメータ設定の容易化などを追求していく。
(4)中国を中心としたアジアでの普及促進
中国、インドをはじめとしてアジア地域の新興国の発展は目覚ましい勢いで進んでいる。これらの地域でCC‐Linkファミリーの1,000種類以上に上る製品の入手性を良くすることは普及への大きな鍵となる。ローカルベンダーの開発促進と、大学・公的機関・業界団体との連携を強化しながら、さらなる進化を目指して取り組む計画を立てている。
「Pioneering
the
industrial
networks
of
tomorrow」(広げてきた。拓いていく。ネットワークで、明日の産業を。)
設立10周年を迎えたCLPAとCC‐Linkファミリーは、次の飛躍に向けてさらに加速を始めている。