横河電機の子会社であるヨコガワ・エンジニアリング・アジア(本社=シンガポール)は、丸紅からベトナムの火力発電所向け制御システムを受注した。この発電所は、ベトナム国営のベトナム電力公社(EVN)が、同国北部タインホア省ギソン地区に新設するギソン第1火力発電所(30万kWの発電ユニット2基)。操業開始は2014年を予定しており、ギソン地区内の工業団地及びベトナム北部地域へ電力を供給する。
今回受注したのは、ボイラ、タービン及びその付帯設備の制御を行う統合生産制御システム「CENTUM
VPシリーズ」、及びプラント情報管理システム「Exaquantum」で、これらの納入、エンジニアリング、機器据付け、試運転、オペレータトレーニングサービスも含まれる。
ギソン第1火力発電所は、近年工業地域として発展してきているギソン地区で最大規模の発電所で、建設費用には、日本政府が国際協力機構(JICA)を通じて供与する円借款が活用されている(第1期分円借款209・43億円)。
このプロジェクトを受注できた主な要因としては、(1)ヨコガワ・エンジニアリング・アジアの優れたエンジニアリング能力(2)ファライ第2火力発電所及びブンアン第1火力発電所等の同国における発電所向け制御システムの実績がユーザから高く評価されており、信頼を得ていることが挙げられる。
ベトナムにおける火力発電所向け制御システムの受注としては、98年のファライ第2火力発電所、09年のブンアン第1火力発電所に次いで3件目。
ベトナムでは、産業の発展や人口の増加とともに電力需要が高まっており、同国の電力市場は今後も拡大することが見込まれている。
またギソン地区には、今後もギソン第2火力発電所や石油精製施設の建設が計画されている。