充電設備は住宅用の普通充電器、倍速充電器、急速充電器がある。入力電圧はAC100V/200V、三相200Vがあり、急速充電は三相200Vが採用されている。充電設備は充電スタンド、コントロール盤などがあり、交流・直流変換器、高周波インバータ、絶縁トランス、コントローラ、タッチパネル、非常停止押ボタンスイッチ、運転押ボタンスイッチ、タイマー、メーター、漏電遮断器、端子台、コネクター、その他多くの部品・機器が使用され、データ通信機能も備えている。
充電設備は、今年に入って急速に注目を集めている。充電設備はPHV車、EV車普及に必要なインフラ関連だけに、官民あげて取り組んでいる。
政府はクリーンエネルギー自動車等導入促進事業として、充電設備も補助事業の対象にしている。
充電設備の補助金申請は9月末時点で499台(急速充電376台、普通充電123台)に達しており、今年度末には1000台を超える勢いである。一昨年度は1台、昨年度が141台であり、驚異的な伸びを示している。
補助金制度は地方自治体でも実施している。埼玉県、神奈川県、東京都、新潟県、岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、福岡県など続々増えている。
充電サービス実証事業も自治体と民間共同で進められており、充電設備普及に弾みがついてきた。
充電設備は今後、駅、街中時間貸し駐車場、百貨店・スーパー・ショッピングセンター、理・美容院、娯楽施設、ホテル・旅館、病院、会社、集合住宅、家庭、役所などの駐車場に設置される見通しであり、充電設備市場は膨大である。しかも、急速に普及するものと予想されている。
このため、充電設備市場に進出する企業が相次いでいる。進出業種も多岐に渡っており、産業界の期待の大きさが分かる。
日東工業は、PHV・EV用充電スタンドを豊田自動織機と共同開発し、通信機能搭載の量産モデルを発売した。設備の稼働状況をデータセンターで遠隔監視する管理サポートサービスも開始した。
河村電器産業は、スタンドタイプと壁掛けタイプの充電器を発売した。日産自動車のEV用普通充電用電源回路ガイドラインで屋外コンセントボックスの一例として推奨されている。
内外電機は、充電スタンドがカー用品販売の大手であるスーパーオートバックスに採用された。実証試験により今後、グループ店舗の設置を目指している。
日新電機、富士電機システムズ、テンパールなども進出している。
盤用機器、制御機器各社は、内需の新規市場として有望視しており急速な普及に期待を寄せている。