新年明けましておめでとうございます。
2011年の年頭に当たり一言ご挨拶を申し上げます。
昨年のわが国を取り巻く経済環境を見ますと、リーマンショック後のG7やG20参加諸国による緊急経済対策の実施により、アジアとりわけ中国やインド等を中心とする新興諸国の経済環境に明るさが戻り景気は回復基調で推移しました。こうした経済環境の好転はわが国の製造業界に旺盛な外需の需要をもたらし、一昨年後半からは多くの業界で外需を主体とした受注の急回復が見られました。
一方国内を見ますと、エコカー補助金やエコカー減税さらにはエコポイント制度の導入など内需拡大策を背景に市場は明るさを取り戻し景気は全体的に堅調に推移してきたといえましょう。こうした状況を反映して7~9期までの実質GDPは4四半期連続してプラス成長を遂げましたし、株式市場も昨年9月の中間決算では多くの企業が増益傾向を示すなど経済環境は明るさに包まれておりました。
しかしながらここにきて外需を支える為替の「円相場」がドルやユーロに対し急騰しており、加えてエコカー補助金の廃止やエコポイント制度の縮減など内需拡大策の終了に伴う反動減が見込まれ景況感は厳しい状況にあるといえます。このため日銀は一段の金融緩和策の導入に踏み切りましたし、また、足踏み状態にある景気を下支えする補正予算が成立し、新成長戦略、公共投資等によりGDPを押し上げる効果があり、経済状況も好転すると思いますが、その持続力には不安も感じられます。
一方、海外も米国の超金融緩和策は新興国のバブルの誘発懸念等を抱えており、また、EUの財政・金融不安等の問題もあり、内外の経済環境は厳しいものが予想され、先行きの不透明感の払拭までには至っておらず、今後の景気の推移には国内外とも慎重に対応する必要があると考えております。
ところで、私どもの業界動向ですが、昨年11月に5年振りにISOの国際会議を開催し成功裏に終了しました。また、一昨年来の需要業界の回復に支えられ出荷動向は回復基調に入りましたが、ここにきて一部に鈍化傾向も見られることなどから円滑な補正予算の執行や11年度予算の年度内成立など適切な経済政策の実施が望まれるところです。
本年は私どもフルードパワー業界にとって3年振りとなります「第23回油圧・空気圧国際見本市(IFPEX2011)」が7月に開催されます。フルードパワー機器は、わが国の「モノづくり」を支える機能商品を提供する大きな役目を担っており、最新の技術や新製品を展示したいと考えております。また、今回も「水圧コーナー」を設置し、「駆動する水圧技術」を目玉に展示を予定しております。
一方、急速に進展するわが国経済のグローバル化は、フルードパワー業界にもその対応を求めており、海外マーケットへの展開や高い地球温暖化対策目標の設定等から「省エネ技術」の提供は喫緊の課題です。会員各社の一層の対応をお願いする次第です。フルードパワー業界は「モノづくり」を支える重要な産業でありますし、今後とも大きな成長が期待されております。こうしたなかで業界としては、健全な競争と協調のなかで共に発展していくことが望まれます。
各需要業界の皆様方には更なるご支援、ご鞭撻をお願い申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。