PLC(プログラマブル・コントローラー)は、国内外の旺盛な設備投資需要に支えられ急速に市場を拡大している。リーマンショックによる落ち込みが大きかったこともあるが、2010年度上期は倍増のペースで生産が続いた。従って1000億円の大台を回復し、1200億円前後までの拡大も見込める。この背景には中国などアジア地域の外需もあるが、国内も半導体・液晶製造装置や電子部品実装装置などの需要増も大きく貢献している。また、製造業以外への用途拡大も著しい。
PLCは、高速処理化と小型化、高機能化傾向が著しく、省スペース性やコストメリットが高まっている。
最近発売のPLCは、基本命令処理が3・75ナノ秒と一段と高速となっており、100キロステップのプログラムを1ミリ秒で実行できる。しかも、プログラムや信号入出力のリフレッシュも、100マイクロ秒周期で行い、位置決め指令などの時間短縮が図れるほか、位置決め制御などに有効な64ビット整数演算命令や倍精度浮動小数点演算命令もサポートし、高い精度の高速演算が可能となっている。処理速度の高速化は、複雑な演算(応用命令)を短時間に処理でき、機械制御も安定化する。同時に、ネットワークサービスでスキャンタイムの不安定動作の低減にも繋がる。
一方、プログラミング言語はシーケンス用言語であるラダーのほかにIEC61131―3に基づいたストラクチャードテキストなどを使ったパソコンが苦手な用途・現場でも使用が増えている。機械安全ニーズに応えて、セーフティPLCの発売も増えている。