ものづくり現場の安全確保の観点から、制御機器における安全対策機器市場はグローバル規模で拡大している。リーマンショックの影響から安全対策機器市場も影響を受けたが、以後順調に市場が回復、グローバルで約1000億円の市場規模と推定される。
国内におけるここ30年間の統計では、休業4日以上の企業の労働災害死傷者数として、多い年は年間に約39万人が被害に遭い、約5200人が死亡していたが、安全意識の向上と安全対策により現在では約4分の1に減少している。加えて企業の社会的責任から、災害を起こさない経営姿勢が求められている。
一方、政策面では01年に厚生労働省から「機械の包括的な安全基準に関する指針」が出されたほか、法整備では06年に労働安全衛生法が改正、リスクアセスメントと必要な安全対策措置が努力義務と定義付けされた。さらに07年には機械のリスクアセスメントの具体的な指針が改正されている。
また、欧州の機械指令も改正されたが、09年の年末に施行実施予定が2年間先送りされた。EN954―1からEN
ISO13849―1への移行で、欧州に輸出する機械・装置の安全制御回路はISO13849―1TEL2006への対応が求められることになる。
安全対策機器は、安全リレー、セフティドアスイッチ、セフティリミットスイッチ、非常停止用スイッチ、ソレノイド付き安全スイッチ、エリアセンサ/ラインセンサ、マットスイッチ、フットスイッチ、プログラマブル安全コントローラ、安全プラグ、さらに防爆機器など多種多様である。