サーボモータ市場は、主要ユーザーである自動車・工作機械分野、半導体・液晶分野などの動きが順調に回復している。また、中国を中心としたアジア市場や新興国など海外市場も堅調に推移、市場を牽引している。
09年度の市場規模は、経済産業省の機械統計で928億円(前期比33・3%減)、日本電機工業会(JEMA)の生産実績で934億円(同32・9%減)と大幅に落ち込んだが、昨年後半から市場が急回復し10年度の第2四半期累計では870億円、前年同期比360・3%と大きく回復している。
製品傾向は、高速・高機能化、小型・軽量化、操作性向上、セーフティ、ネットワーク化などへの対応が進んでいる。同時に高効率による省エネ化や環境対応が進展しており、ユーザーへの最適ソリューション提供に向けた開発が進んでいる。
用途では、工業産業用途のほか、最近では社会インフラ関連、乗り物シミュレータ、外食産業、介護ベッドなど身近な分野に採用が拡大している。最近では、応答周波数2KHz、20ビット分解エンコーダという高速・高分解能タイプも現れ、位置決め整定時間の大幅短縮を含め、高精度な位置決めや微細加工を実現している。
また、セット時間短縮やオートチューニング機能の組み合わせで、調整の手間と時間が大幅に短縮。低剛性も進み、取り出しロボットや多関節ロボットなどで重要視されている。環境面では、アクチュエータの電動化でクリーンな使用環境を確保している。小型化を図るため、周辺機器と一体化したオールインワンタイプも現れている。