インバーターは、省エネ対応の切り札的存在として、市場を拡大している。2010年度は中国を中心とした外需が牽引役となって大きく伸長、前年度比約50%増加した。今年度もこの傾向は続くものと見られ、2桁の伸長は確実と見られる。
インバーターは、モーターなどの運転効率を向上させることで電力の有効活用を図れることから工場やビルの空調やエレベータ、クレーなどの巻上用途、新エネルギー機器の周辺でも用途が広がっている。
最近のインバーターは、性能の向上とともに誰でも扱える操作の簡便性や小型・軽量化、低騒音化、安全性、ネットワーク対応などがあげられ、なかでも使い易さと省エネ性の向上は重視されている。周波数やパラメーター設定がジョグダイヤル式コントローラーを回すだけでできる機種が一般化し、さらにこうした複雑で面倒なパラメーター設定を自動的に設定できる製品もある。また、配線を簡単にするための着脱式制御端子台の採用も一般的で、パラメーターバックアップ機能付きの端子台を採用した製品は、ユニット交換時に制御配線とパラメーター設定が不要になる。
永久磁石埋め込み形同期モーター(IPM)や表面永久磁石形同期モーター(SPM)が市場に投入されているが、従来、こうした高効率モーターの駆動には専用のアンプが必要であったが、これをインバーターのアンプを使い、誘導モーターと同期モーターのどちらでも駆動できるインバーターが各社から発売されている。両方のモーターに対応でき、インバーターが1台で済むことになる。