バーコード、RFID、バイオメトリクスなどの自動認識機器は、「省力・効率」に加え、「安心・安全」と「品質」に対する関心の高まりの中で着実に市場を拡大している。製造履歴を管理するトレーサビリティ化や、物流合理化に繋がる自動認識機器・システムは、景気動向に関係なく投資が拡大している。また、トータルコストを削減する上でも自動認識機器の活用が有効との意識も高まっている。
国内自動認識機器の2010年の出荷金額予測は、09年比9・8%増の2381億円となっている。製品分野別では、バーコード関連で前年比8・7%増の1753億円、RFID関連で同19%増の398億円、バイオメトリクス関連で同8・1%増の177億円、ソフトウェアで同7・7%減の52億円。
バーコード関連製品では、FA分野での需要は当面なだらかな導入となるが、物流、小売、食品関連、医療での堅調な需要が期待されている。RFIDでは、大型案件は見込めないが着実に普及が進むと見られている。10年4月に電波法省令が改正され、UHF帯での中出力機器等の需要が進むものと期待されている。バイオメトリクスでは、安価で安全な指紋認証を中心に、官公庁、大手企業での内部統制用としての導入、PC関連、携帯電話等での個人認証として利用が進むものと見ている。
自動認識システムは、需要裾野が広いことが大きな特徴であるが、特に国内の産業空洞化が心配される中で、内需型産業の医薬品、食品、化粧品なども需要が大きく、比較的安定した分野となっている。