当社は「エネルギー・環境」分野でマーケット視点での事業展開を図るために2010年4月にセグメント変更を行った。当事業部は、汎用インバータ、モータなどを自動車や鉄道、工場の機械向けなどへの販売活動を展開している。
モータやインバータの市場はアジアを中心に拡大しており、当社でも10年度下期の売り上げは前年同期比35%増になっており、11年3月期では上期の伸び率が高かったことから40%増ぐらいになりそうだ。これは08年度の80~90%ぐらいの水準であるが、台数では今年3月までにピーク時を超え過去最高になるだろう。印刷機械、包装機械など当社の強みである分野は比較的需要が安定しており、また、エレベータ向けも中国などアジア地域中心に安定的な売り上げとなっている。
12年3月期の売り上げも、アジア地域を中心とした外需が大きく伸びると見ており、同20%アップを狙っていく。来期はアジアでのビル、工場の空調関係市場をターゲットにしていく。この市場は欧州メーカーが強いシェアを持っているが、安定した大きな市場があり、価格、機能で競争力のあるインバータの専用機種を開発し投入する。また、クレーン向けにも力を入れていく。
さらに、同期モータもIE4/IE3のモータ効率対応でセンサレス・センサ付きなどのラインナップを充実し、ファン・ポンプ、エレベータなどの用途に対応したい。
販売面では、国内は業界別にワンストップ体制を昨年整備できたが、海外もシンガポールのアジア統括拠点を中心に人員を増員して、システム販売体制を強化している。中国市場では、昨年9月に上海に統括会社やものづくり本部などを設置したことで、地産地消とワンストップの販売体制で今後の取り組みに反映していける。