2011年3月期の売り上げは、計画を数%上回って前年度比25~30%ぐらいの伸びを見込んでいる。09年の第2四半期から回復して元に戻ってきているため、さほど大きな伸び率にはならない。インバータの生産台数も年160万台とリーマンショック前のピーク時を超えており、部品材料があればもっと生産できた。しかし、金額は為替などもありピーク超えまでには達していない。地域的には中国を中心としたアジア市場が好調で、国内は牽引する要因が少ない。米国もグリーンニューディール政策やオイル開発などで今が需要のピークと見られ、この先ははっきりわからない。
旺盛な中国での需要に対応するために上海工場の生産設備を増強し、現在の月30万台から11年度中に60万台体制まで引き上げる。部材もプリント基板を除けば100%現地調達である。また、インドもインド市場向けに今年1月からノックダウン生産を始め、4月からは月産2~3000台体制で本格稼働する。
製品面では昨年、高圧マトリックスコンバータ技術を大型風力発電装置に応用したEnewinを発売した。また、パワーコンディショナ(パワコン)の10kWタイプを発売したが好評で、今年は公共施設用に100kW、家庭用に5kWを追加発売する。日本市場ではパワコンや回生エネルギー関連機器に注力していく。海外では米国の空調機器向けに軽負荷のZ1000インバータを投入、中国市場もコストは厳しいが、パワコン販売も期待している。
一方、昨年12月21日付けで電気駆動システム部を当事業部内に設けた。電気自動車などに対応した次の製品展開に取り組むのが狙いだ。さらに、全社的に部品・材料を中国などから調達する取り組みも進めている。円高などもありコスト削減効果に期待している。