2010年度のモーションコントロール事業の売り上げは、前年度比倍増になりそうだ。昨年夏頃までは納期遅れで大変であったが、ここにきて国内向けはぎりぎり間に合い、海外向けも今年3月までには解消する。国内の2工場(東京、八幡)は過去最高レベルの生産数で、このまま行くと為替レートの違いもあるが、金額面も過去最高であった07年度に並ぶか、超える可能性がある。
11年度も10年下期より良くなると見ており、当事業部としても10年度比いくらかでも売り上げを増やしたい。国内はスマートフォンやパソコンなどの旺盛な需要で、半導体への強気な設備投資計画が見られ、EL・有機EL、小型液晶への生産投資や、電池関係の話も出て期待できる。中国市場も好調を持続するものと見ている。EMSが沿岸部から内陸部へ工場を移転する動きから、電子部品実装機などの新規需要に繋がる可能性も出てくる。
昨年6月から中国・瀋陽でサーボモータの新工場が稼働し、∑―Vシリーズを月産1000台体制で取り組んでいる。今後の中国市場開拓を担う重要拠点で、今年6月までには9000台まで引き上げ、12年度末までに6万台まで持っていく。調達も一部のコアの部品を除いて100%現地で行うようにしている。
新製品は、工作機械向け多軸ドライブやマシンコントローラを予定しているほか、リニアピストンモーションなどの拡販にも注力する。
営業面では、工作機械などの市場拡大が著しい中国で、安川上海を強化しながら代理店チャネルの拡大などを進める。また、新興国向けにコスト競争力のあるサーボモータ製品の投入も行う。中期計画の最終12年度の当事業部の売上高1950億円を掲げており、海外販売比率も現在の30%から50%まで高める。