世界的に成長する国・地域や業種が鮮明になってきた。日本は日銀によると今年1・5%の成長見通しである。海外では中国、東南アジアは高成長を維持するが、米国は伸びが小さく、欧州は景気が良くならない。
こうした状況下で、当社は開発・製造・販売まで抜本的に見直し、対策を講じてきた。米国、中国・上海、オランダの海外子会社のうちオランダを閉鎖する一方で、昨年10月にアジアの一大財閥であるタイCPグループ会社と合弁会社をタイに設立した。また、中国は売り上げ増加に応えるため、今年さらに上海に1社設立する計画である。
昨年は「走るための体制」を整えた。今年は、来年の「本格走行」につなげる「助走」期間と位置付け、重要な1年として決意を持って取り組む。
製品開発、営業に関しては安心・安全をキーワードに展開する。
製品開発では、昨年、新製品を多数市場に投入したが、今年も新春早々にローコストタイプのコードスキャナー、4月ごろには高付加価値製品を低価格で発売する。
営業では、国内は「衛星営業」を展開する。太陽電池や蓄電池、さらに医薬品、食品業界などに対しバーコード・2次元コード、RFIDなどの販売だけでなく周辺分野も取り込んだ提案営業を行う。直販体制の利点のひとつである情報収集力を十分に活かし、大手企業を取り巻く中堅企業にまで提案する。
海外では東南アジア市場の開拓に注力する。中国はバブル崩壊の懸念材料はあるものの、まだ成長するので、上海に中国2番目の法人を設立する計画である。タイ、インドネシア、インドなども設備投資が旺盛であり、CPグループへの販売のほかにCPグループの販売ネットワークを通してタイと周辺国の顧客を獲得したい。