昨年を振り返ると、年初の不安要素が月を重ねるごとに予想以上の回復を示し、久し振りに明るい気持ちで新しい年を迎えることができた。
昨年12月期の売り上げは、前期と比べ50%程度増加した模様である。
製品では全体が良かったが、なかでもDIPスイッチの伸長が大きい。産機関係の伸びは緩やかであるが、民生関連、住宅の照明関係向けがエコポイント、省エネブームもあって成長した。また、エアコン用コントロール装置向け部品の販売も順調である。
DIPスイッチの受注増加、コスト競争に対応するため、中国委託生産を強化した。日本の製造業のほか、台湾、韓国なども中国に生産拠点を移しており、製造技術がかなり高まっている。当社にとっても、品質を維持しながらコストダウン効果が出ている。
今年の景気は、昨年並みと見ている。エコカーの補助金がなくなり、家電のエコポイントも対象商品が減るなど、景気対策の効果が薄れる。一方でリーマンショック後の世界同時不況の経験が生きるので、急な景気の冷え込みはない。先進国、中国などは政経の一体化を強めており、不安材料もある。
当社では受注が年末から鈍化気味であるものの、産機関係が堅調に推移し、3月までは比較的順調に推移しよう。その先は不明である。消費動向と設備投資動向では時間のずれがあるので、舵取りが難しい。
こうした中で、2011年12月期は売り上げを前期比で2桁増加させたい。同時に、次の成長に向けて開発、営業両面で体制を整える大切な1年と位置付けている。
国内はLED照明、太陽光発電など環境分野向けに新製品を開発したい。海外では特に中国市場での営業を強める。円高ではあるものの、積極的に開拓していく。