昨年は製造業、特に半導体産業での設備投資が活発化したことと、電力料金のリモート検針システム用途にISO/IEC14908LONWORKS電力線通信技術の採用が本格的に始まったことにより、売り上げ増加に大きく貢献した。
国内のLONWORKSの採用実績は、従来ツイストペア線を媒体とするものが圧倒的に多かったが、最近、電力線通信への引き合いが増えている。当社が提供する電力線通信トランシーバを内蔵したNeuronチップ(電力線スマートトランシーバ)の出荷実績は全世界で3000万台を超えており、制御用の低速電力線通信(3または5キロビット毎秒)においては最大の設置と運用の実績を持っている。
既設の電力線を制御信号の伝送に活用することによって別途、通信線を敷設する必要がないというメリットがある。高速電力線通信は主に屋内でLANの代わりに用いられるが、低速電力線通信は屋外で比較的長い距離の通信にも適用できる。スマート検針システムや道路照明の調光システム、ホームオートメーションなどに応用され、今後、スマートグリッドを構成する基幹通信技術として国内電力会社などでの採用が期待される。
また、昨年は改正省エネ法の影響もあり、企業エネルギー管理(EEM)分野においても、大手量販店などを中心としてLONWORKSを活用した省エネシステムの導入が本格的に始まった。今年も継続して、省エネへの投資は行われる。これら成長市場で売り上げを伸ばしていきたい。
今年は高性能・低コストのスマートネットワーク技術、LONWORKS2・0の製品のリリースが完了する。一昨年の発表以来、順次、製品を追加してきたが、新たにソフトウェア製品が追加されることによって製品ラインが完成する。