今年の景気見通しは、日銀の予測では経済成長1・5%と発表しているが、国内の政治状況、円高基調に加え、米国経済に改善の兆しが見えないことから判断すると、あまり芳しくない。トランス市場も設備投資の復調が緩慢なことから、昨年同様か微増で推移する。
こうした状況下で、今年9月期は売り上げ20%増加と収益の向上を達成したい。
昨47期を振り返ると、45期比で8割の水準に戻っている。現状でも採算の合う体制へ構造改革を引き続き進め、無借金経営を継続する。
2008年6月に3社統合したが、その効果が出る前にリーマンショックが発生し世界同時不況で、トランス市場も大幅に縮小という状況になった。生産、物流、管理部門の合理化で経費削減ができたものの、市場の落ち込みが帳消しにした。
そのため、さらに合理化、効率化を図るため昨年12月に茅野工場を川本工場へ統合し生産を一本化した。同時に、お客様との距離を縮める対策をとっている。
営業部門は市場シェアアップへ強化した。九州地区に営業を常駐させ、地元お客様へのサポート体制を充実、新規開拓にも取り組んでいる。
設計、生産部門は製造コストの削減と使い勝手の良いモノ造りを推進している。お客様は自社の仕様に合ったトランスを高品質・短納期で要求する傾向にあるが、当社は品質にこだわりながら高品質のトランスを即納できる。また、お客様の海外向け機器、装置に対応できるよう、北米規格・欧州規格に適合するトランスの品揃えを充実させ、必要とされる認証も取得し、維持していく。
一昨年に長野県に設立のテクノプロジェクトは熟練の電気、機械設計者が各種の自動制御装置を造っているが、採算が取れるようになった。今後、相乗効果を期待したい。