2010年10月期の売り上げは、前期比倍増と好結果を残すことができた。中国市場向けの販売が好調に拡大したのが大きな要因で、08年のリーマンショック前の状態まで戻すことができた。この先も今年4月ぐらいまでの受注は安定した状態で見えているが、後半の6カ月が少し見えづらい感じである。
昨年は主力製品であるロータリーエンコーダで、グループ会社のアバゴとの共同開発により特徴ある製品を発売したが、大変好評を得ている。今年は、さらに多くの新製品を発売する計画である。既存機種の設計見直しによる機能追加やコストダウン、一層の小型化などのリニューアルを進めることで競争力を高め、新しい市場を開拓していきたい。新製品の中には、日本でもあまり販売されていない特徴ある製品もあり、海外市場向けにアバゴの販売ルートを使った拡販も計画している。
一方、昨年の日本国際工作機械見本市(JIMTOF)で発表したマニュアルパルスジェネレータ(テパ)の新シリーズも今年1月から販売を開始する。価格競争力のある製品でもあり、これも売り上げの積み上げに貢献する。
さらに、今年後半にはサーボモータ向けに需要が見込めるアブソリュートタイプのロータリーエンコーダの市場投入なども計画している。
国内の販売施策も、販売店との間でお互いに役割を分担しながら、戦略的に市場開拓で協業できるような関係をもう一度構築することで、繋がりを強めていきたい。こうした一連の施策によって、11年10月期は売り上げ30億円突破を目指す。
今後もアバゴの持つ技術力、営業力、商品力などを活用しながら、成長への取り組みを進めるが、12年度以降はロータリーエンコーダ以外の事業拡大も検討していく。