当社の業績は、昨年度の第4四半期に黒字転換し、今期に入っても順調に推移している。昨年4月にスタートした新たな中期計画では、13年3月期に売上高213億円を目標にしているが、初年度にあたる今期の目標はクリアできる見込みである。
今期の事業計画では、「営業体制の変革で成長分野を深耕」「海外市場の売り上げ拡大」「技術開発体制の強化」「生産体制の再構築によるコストダウンの推進」を基本方針として、電子機器事業とEMS事業の各事業で戦略を展開している。
電子機器事業は、これまでD&C製品を中心に営業体制の変革を行ってきた。来期は、S&S製品の本格的な変革に取り組むのと同時に、D&C製品を核としてS&S製品を展開することで、事業領域をさらに拡大展開していく。具体的には、デジタルサイネージ、医療、セキュリティ、環境計測、検査・計測の各分野で、ハードウェアだけでなく、ソリューション提供も強化する。また、昨年10月から新たなネットワークサービス「VPCONPASS」を開始したが、ソリューションに合わせたASPサービスに発展させ、付加価値を高めていく。
海外展開では、代理店を再構築し、中国、アジア地域を中心に売り上げ拡大を目指す。また、ダイフクの中国現地法人と協力して主に自動車関連市場へのシステム販売を拡大していく。このため、技術者の現地化を推進すると共に日本からのサポート体制を強化する。EMS事業では、グローバル生産を推進し、部品の標準化によるコスト削減を目指すとともに、今後は中国市場を見据えて上海生産体制の強化を図る。グループ外のEMS事業は、ターゲットとしている多品種少量生産品だけでなく、少品種多量生産品も手掛けることで事業の拡大を目指す。