10年度第2四半期は、前年度同期の落ち込みを取り返して、売上高が増収に転じ、利益面でも営業・経常損益段階で黒字に転換した。エンジニアリング部門で印刷業界の売上が減少しているが、昨年1月から公共交通機関関連の新取引が始まり、売上に寄与している。中国の子会社、南京華洋電気のエレベータ用センサ、配電・制御盤が下期は好調に推移。変圧器部門も下期が回復しており、10年度通期の売上高は、前期比16・2%増の82億円を見込んでいる。
今年の景気については、そう悲観的には見ておらず、円高のトレンドも収まると思う。当社の各部門の見通しとしては、機器部門はエレベータメーカーが世界中での販売に力を入れているため、そのエレベータ用センサにも期待している。
変圧器部門は、電炉メーカーなど伸びている業界にどれだけ食い込めるかがポイントとなる。低損失の変圧器を提案すると共に新素材を使った変圧器の開発にも力を入れる。また、他の部門に比べると売上がやや少ないので、規模を拡大したい。
エンジニアリング部門は、新聞印刷制御装置・システムなど一品ものに強みを発揮しており、引き続き公共交通機関関連の売上も伸びる見込み。
その他、樹脂関連事業では、経済産業省戦略的基盤技術高度化支援事業が採択され、名古屋大学との共同研究で、プラズマ処理技術を活用した高強度のナノ複合樹脂材料の開発を進めていく。
海外では、南京華洋電気のエレベータ用センサ、受配電盤の日系メーカーや現地メーカーへの販売を強化する。専任の担当者を置いて中国市場の開拓を進めている。将来は拠点を増設して、さらに現地での生産、販売を拡充していきたい。
このように国内新規市場と海外の2本柱を強化し、3年後には売上高100億円を達成したい。