日本半導体製造装置協会(SEAJ、東哲郎会長)は、2010年度から12年度までの半導体製造装置及びFPD(フラットパネル・ディスプレイ)製造装置の日本製装置及び日本市場の需要予測を発表した。10年度の日本製半導体製造装置とFPD製造装置を合わせた販売高は、09年度比73・4%増の1兆6323億円とV字回復となった。11年度はFPD製造装置の低迷が予想され若干ブレーキがかかることから同2・2%増の1兆6682億円になると予測。12年度も同10・8%増の1兆8480億円と引き続き増加する見込み。09年度から12年度までの平均伸長率は25・2%と2桁成長が予測されている。
このうち、日本製半導体製造装置の10年度販売高は、同90・3%増の1兆2423億円と09年のほぼ倍増となった。
10年度は、海外大手半導体メーカーを中心とした大型投資の恩恵を受け、大きく伸長した11年度は4・5%増の1兆2982億円、12年度は10・0%増の11兆4280億円と堅調な成長を予測している。この販売高は、過去のピークであった07年度の約80%に相当する。
10年の電子機器市場も全般的に好調が見込まれている。PC需要に減速感がでているものの、スマートフォンやタブレット端末などの新しいアプリケーションにより市場拡大が進み、11年も継続的に成長することが予測されている。
WSTSの10年秋季予測によると、10年の世界半導体市場は32・7%増と大幅に回復し、過去最大の3004億ドルに達する見込み。11年はメモリ市場のマイナス成長が予測されているが、全体では4・5%増と成長を継続し、12年も5・6%増と緩やかな成長が見込まれている。
半導体メーカーは、09年後半からの市況回復に伴い大幅に業績を伸ばし、設備投資を再開した。直近のDRAM価格の急激な下落により業績に及ぼす影響が危惧されているものの、コストダウンのための継続的な微細化投資が期待され、ファウンドリやNANDフラッシュメモリメーカーでは大規模な増産投資も計画されている。日本市場での販売もメモリメーカーを中心とした大型設備投資の恩恵を受け、85・6%増の3953億円と予測している。11年度は4・1%増の4114億円、12年度は1・0%増の4155億円と緩やかな成長になると予測。12年度の市場規模は、07年度の約40%に止まる。
一方、日本製FPD製造装置の10年度販売高は、韓国・台湾での投資により、プラス成長し、35・1%増の3900億円となった。
FPD産業は、省エネ対応のLEDバックライトを搭載したテレビの市場拡大、3Dテレビの盛り上がりで前半はパネル価格が高止まりであったが、後半はワールドカップ、国慶節を期待した薄型テレビの販売が期待を下回り、パネル価格の低迷と生産調整に陥っている。世界における液晶テレビの普及拡大は、新興国を中心に継続的に進み、新たにスマートフォンやタブレットPCの躍進で高精細・中小型パネルや有機ELの高成長が続くものと期待されている。
この結果、11年度は過剰投資の反動で同5・1%減の3700億円、12年度は中国での大型投資が本格的に進み、同13・5%増の4200億円と予測している。