富士電機ホールディングスは4月1日付けで純粋持株会社制を廃止、エネルギー・環境を主体とする事業体に移行し、社名も富士電機に戻す。また事業の中核となる富士電機システムズも同日付けで吸収合併する。一連の大幅な体制改革は来年度が最終年に当たる中期経営計画の総仕上げと、2015年度1兆円企業への布石である。
富士電機は03年に純粋持株会社制に移行し、社名の富士電機ホールディングスの元、中核事業体を富士電機システムズ、富士電機機器制御、富士電機リテイルシステムズ、富士電機アドバンステクノロジーに分割している。
リーマンショック後の世界同時不況により1兆円目前にあった売り上げが急減し、09年度から始まる中期経営計画で構造改革を断行。エネルギー・環境事業に経営リソースを集中し、持続的高収益企業グループを目指すもので、富士電機ホールディングスの09年度売り上げ6912億2300万円のうち、3289億7100万円を占める富士電機システムズを中核に事業セグメントを再編し、15年度には1兆円以上の売り上げ規模を想定している。
富士電機システムズを吸収合併し、持株会社から事業会社へ転換することで構造改革の仕上げをする。
事業はパワーエレクトロニクス分野をコアに、エネルギー・環境ソリューションに集中する。エネルギーソリューションでは再生可能エネルギーとスマートグリッド事業の拡大を謳っており、米国GEの日本法人GEエナジー・ジャパンと合弁会社を設立しスマートメーター事業を強化するのも、その一環。2月1日に設立する合弁会社「GE富士電機メーター」は、資本金3億5000万円で富士電機が50・01%を出資する。