大和無線電機(東京都文京区湯島2―5―15、TEL03―3814―5021、堀内覚社長)は、今年から台湾メーカーを中心とした電子部品を日本とアジア市場に供給する取り組みを強める。社内にこの取り組みを推進する組織として「ダイテックジャパン」を設立し、香港にあるダイテック香港、台湾(台北)、関西の各拠点を連携させる。
同社は、国内での顧客が中国を中心とした海外へ生産シフトを強めることに対応するために1996年にダイテック香港を設立、こうした日系企業への日本製の電子部品販売をサポートしてきた。
しかし、日系企業が電子部品の現地調達を進める中でコスト削減の要求も強まってきている。同時に電子部品メーカーでも、採算性の悪い部品は生産中止になるなど、コストだけでなく供給面での不安定要素が出てきている。
そこで同社では、品質が以前に比べ急速に向上している台湾メーカーの電子部品に着目し、日本で生産中止となっている部品やコスト競争力の高い部品などをピックアップし、取り扱いを始めた。
ただ、ユーザーもこうした電子部品への品質上の不安を持っていることから、「当社が商社として中に入って仲介することで、こうした不安を解消するとともに、供給と与信の役割を果たす」(堀内覚社長)。
台湾製の半導体やキャパシタ、バリスタ、スイッチ、コネクタなど10点をリストアップしており、すでに販売を始めたものもある。同社が台湾製品の開拓と品質チェックを行い、香港が日本及び海外への供給管理、ダイテックジャパンと関西が日本市場への販売を担当している。販売では、Webによるバーチャルショップも開設している。
堀内社長は「台湾メーカーも日本のユーザーの採用に非常に期待している。当社は商社機能として、ユーザーの求めに応じて、日本製、台湾製のどちらでも供給できる体制を確立していきたい」と語っている。