三菱電機は、生産設備の絶縁劣化を常時監視する計測機器として、同社の汎用シーケンサ「MELSEC―Qシリーズ」のベースユニットに装着できる「絶縁監視ユニットQE82LG」=写真=を21日から発売する。
標準価格は10万円。2011年度2000台の販売を計画。
新製品は、回路ごとの漏洩電流をきめ細かくリアルタイムに計測することで、生産設備の絶縁劣化状態を、早期に段階的に発見し把握することで、突発停止や故障前の対策が可能になる。
また、配線や機器の劣化を示す抵抗分漏洩電流(Ior)を計測する方式のため、静電容量分漏洩電流を多く含むインバーター回路などでも、絶縁劣化を正確に監視可能。
さらに、シーケンサ直結構造で、省スペース実装を実現し、オプションの分割形零相変流器(ZCT)により、既設回路への取り付けも容易に対応できる。
生産現場では設備の予防保全を目的に、絶縁劣化の測定を定期的に行うが、点検周期は半年や1年に1回など間隔があいているケースが大半で、絶縁劣化の早期発見に繋がりにくいのが実情。
特に、近年は静電容量分漏洩電流(Ioc)を多く含むインバーター駆動機器が増えており、配線や機器の絶縁劣化を示す抵抗分漏洩電流(Ior)の把握が必須となっている。
今回、設備のIorをリアルタイムに計測する機器として、生産ラインの制御装置である汎用シーケンサ「MELSEC―Qシリーズ」のベースユニットに装着することで、シーケンサやGOT(グラフィックオペレーションターミナル)を通じて絶縁監視情報を常時「見える化」でき、予防保全工数の軽減にも繋がる。