オムロンはこのほど、微細化する印字加工や、難加工材料への印字加工を可能にする新型ファイバレーザ発振器を開発した。同社では新型発振器をレーザマーカなどレーザ加工装置に搭載する予定で、同社の国内拠点でレーザ発振器からレーザ加工装置まで一貫生産し、今年4月からの出荷を開始する。
電子機器・部品の生産現場では、微細加工や、加工が困難な材料(金・銀・銅・セラミックなど)への加工を、高スループットでフレキシブルに行えるレーザ加工が増加しており、レーザ加工の心臓部であるレーザ発振器には固体レーザ発振器が多く採用されている。
一方、固体レーザ発振器は、高出力での微細加工が困難、加工に使用するレーザパルスの形状に制限があり、最適な加工条件を実現するのが難しい、エネルギーの変換効率が悪く消費電力が大きい、振動衝撃に弱いなどの課題があり、安定性や保守性に優れるファイバレーザ発振器の採用が増加している。
同社が開発したファイバレーザ発振器は、ビーム品質が高く、ビームスポット径を小さくすることができ、微細な印字・加工が可能な上、高ピークパワーで対応可能な材料が多い。
さらに、高繰り返しで動作するので高速な印字・加工が可能。レーザのパルス幅が自由に設定でき、最適な印字・加工が可能といった特徴を持つ。
また主な仕様は、平均出力20W、ピーク出力は繰返周波数100kHzまで25kWで低下しない。繰返周波数は0・5~1000kHz、パルス幅は7・5~300nsの間で設定可能で繰返周波数に依らないなどとなっている。
同社では、すでに新型レーザマーカの試作機を用いて実際の加工物に印字や加工実験を開始、各ユーザーの新工法開発の支援を行っており、4月から同発振器を搭載した高性能の新型レーザマーカの国内一貫生産を開始する計画である。
なお、今回開発したファイバレーザ発振器と、同発振器を搭載した新型レーザマーカを、1月19日から東京ビッグサイトで開催される「第40回インターネプコン・ジャパン」に出展する予定である。