鉄道関連市場への期待が高まっている。日本が国際的に強みを発揮できる技術的優位性を有していることに加え、省エネ・地球温暖化ガスの排出が少ないなど環境負荷が少ない乗り物として評価されている。鉄道関連の需要裾野も広いことから、制御機器メーカーなども取り組みを強めている。
昨年11月に幕張メッセで「鉄道技術展」が初めて開催され、安全・安心・快適・環境・省エネ追求をテーマに、鉄道に関する様々な材料や制御技術が紹介された。この種の技術・製品だけでこれだけ幅広く展示されることがなかっただけに、出展したメーカーの中には反響の大きさに驚いたところも多かった。
最近は鉄道車両分野に参入を図る制御機器メーカーや商社が多い。
鉄道は環境に優しい交通手段として最近、再評価されている。同展では、鉄道車両の構造や材料から、鉄道のレール(軌道)、架線、構造物、さらに車両の運行を制御する制御技術など、鉄道に関する様々な材料と技術が紹介された。
その多くが制御技術を駆使したもので、例えば、タッチ不要の次世代改札機のモデルでは、乗車用のデバイスの電源をONにしてポケットの中などに入れ、改札を通過することができる。通過時に改札機の先にあるディスプレイが端末情報を読み取り、乗り換え情報などを表示する。
駅の電光掲示板などは、改札口近辺に設置されることが多くラッシュ時などは、そこに人が滞留し、混雑することもあるが、こうしたシステムを導入すればスムーズに人が流れ、混雑の緩和が図れるだろう。また、ニッケル水素電池技術を応用したコンパクトで大容量のバッテリーを搭載した車両は、架線なしで走れる次世代型の路面電車として期待が高まっている。
さらに、鉄道としてもバスとしても走れる「DMV(デュアル・モード・ビークル)」も注目を集めた。DMVは、鉄道が走るレールと自動車が走る道路の両方を走ることができる車両で、鉄道利用者が少ない地域でのコスト削減や、ローカル線活性化の切り札として注目されている。
一方、同展に出展したメーカーでは、元来鉄道車両用に方向切り換えスイッチや連結開放スイッチなどの高機能スイッチ、信号遅延リレー、絶縁耐圧用コネクタなどを納入していたが、省エネ・快適・環境というテーマで最近では運転台周りの表示灯や車側灯、尾灯、さらに標識灯などに、独自開発のLED表示器が多数採用され、鉄道車両分野での事業が拡大している。
また、あるセンサメーカーでは、車両の完全停止の案内や注意喚起などの用途に、マイクロ波と赤外線技術を応用したモーションセンサを開発。今後、車両分野を中心に拡販する方針で、大きな期待を寄せている。そのほか、商社でもメーカーや鉄道会社と協業して、鉄道分野に進出するところもあり、今後、鉄道分野へ向けた取り組みは強まりそうだ。