北陽電機(大阪市中央区常磐町2―2―5、TEL06―6947―6331、尾崎仁志社長)は、成長著しいレンジ(側域)センサの事業拡大と、海外事業を加速させ、中期計画の最終年度である2015年度に売上高100億円を目指す。
同社は、今年4月から新5カ年中長期計画をスタートさせるが、前回の中期計画のテーマである「チャレンジ100」の目標を継続する。
レンジセンサは、05年の発売開始以来、半導体分野やロボット分野を中心に販売を展開してきた。最近は、安全をテーマとする分野や屋外用、福祉分野、セキュリティ分野などでも機能面の優位性からシェアを拡大しており、現在では同社売り上げの約30%を占めるまでに成長。今後は、鉄道や道路といったインフラ分野などの新市場にも投入する計画で、事業の柱としてさらに拡大を進める。
このため、レンジセンサの専門部隊を設けて販売の強化を行う。生産面でも、大阪府豊中市に建設中の新工場が今年3月に竣工、4月中旬から本格稼働する予定で、新工場で今後の需要増加に対応できるよう、量産体制を整える計画。もう1つの注力製品であるデータ転送装置も、イーサネットの普及などで応用できる分野が拡大しており、今後は従来のデータ転送装置の固定概念にとらわれない分野での販売拡大を狙う。
一方、海外事業も順調に成長しているが、リーマン・ショック以降、多様化する世界経済に対応するため、まず各地域ごとでマーケティングを行い、同社の特異性が出せる地域から進出していく。米国では常駐拠点で、顧客とのレスポンスを早くするため、技術陣を独立させ、同社を中心に現地企業と常駐拠点による三位一体で相乗効果を出していく。
こうした中、これまで同社が得意でなかった分野にも積極的に進出する。他メーカーとの協業や、制御にこだわらない市場の開拓も積極的に行っていく。
同社では、100億円企業を目指すために「北陽ブランドに誇りを持って仕事に取り組む」(尾崎社長)など精神的な鍛錬とともに、企業としての組織強化を図っている。