昨年はリーマン・ショック後の影響から脱し、売り上げは回復基調に転じた1年であった。一昨年秋頃から前年を上回る状況になったこともあり、ちょうど1年を経過したこの時期は伸び率が鈍ってきたものの、依然堅調に推移している。特に、社会インフラ絡みの鉄道関連やコインパーキングなどが伸長、この状況でいくと2011年4月期の売り上げは前期比20%増ぐらいになりそうだ。今年もそんなに悪い年にはならないのではないかと見ている。
こうした中で、今年3月から営業の組織を変更する。一部はすでに1月から実施に移しているが、営業本部下に新たに特機営業部を設け、首都圏、広域と合わせて3営業部体制にした。特機営業部には営業促進、新規事業開発に加え、東京営業所も東京営業課と名称を変更して所属させた。特機営業部は今回の組織変更で一番のポイントで、足元である東京都内での市場開拓を促進するのが狙いである。ものづくりが徐々に海外シフトを強め、工場の設備投資需要が先細りする中にあって、これに代わる市場を探す必要がある。昨今、省エネ対策が各方面で取り組まれているが、意外に盲点となっているのがビルの省エネである。東京都内には無数のビルがあり、エネルギー使用の見える化や効率化に繋がる機器を販売することで、工場の海外移転で減少する影響を補うことも期待できる。
また、新しい商材として台湾・IEI社のパネルコンピュータも半年前から販売を始めた。円高と海外製品の品質向上もあり、売り上げを見込んでいる。さらに、昨年11月から通信販売も開始しているが、秋葉原の同業者ともリンクしながら、顧客サービスの一環として提供していく。今年は国内の顧客開拓に向けて足元をしっかり固めて取り組んで行きたい。