リーマンショックの凄まじい衝撃で世界が不況に陥ったが、輸出に頼る日本は欧米や新興国よりも立ち上がりが遅い。一昨年下半期から製造業も徐々に受注が回復し始め、昨年春ごろには部品不足が表面化した。
当社も売り上げ減少に見舞われたが、昨年10月ごろから上向き出し、12月には今期最高の売り上げまで回復した。半導体製造装置、工作機械、自動車関連業界とのかかわりが小さく、景気浮揚時期が我々の業界平均と比べ約半年遅れて出てくるが、今期は前期比で20数%増加しそうである。
事業部門別では、不況時も落ち込みが少なかったシステム営業、特機営業が40%増加、機器営業も10%増加している。
今年は設備更新の投資が出てくると思う。設備投資の抑制が続き、グローバル競争に勝ち残るには国内も設備投資を再開せざるを得ない。もっとも、海外における投資を優先させる傾向は続くであろう。
当社は、「ファクトリーオートメーション」と「安全・防犯・省エネ」、「設備診断・リニューアル」の3本柱で、企業・街・地域に深く根付く戦略を展開し、不況に強い体質を作っていく。
来期の売り上げ目標は、2桁増を予定しているが、粗利益に主眼を置き、「量」よりも「質」を求める。少数精鋭で1人当たりの価値を向上させる。機器販売だけでは価格競争に巻き込まれてしまう。当社はこれまでに培ってきたシステム技術力を付加する商売を、より一層強化する。
また、お客様とのコラボレーションも推進する。地元の配電制御システムメーカーとの協業を強化しているほか、防爆機器メーカーとは機器単体販売でなく施工も当社が担当し展開している。
地元企業、街、地域に密着することで、お客様との信頼関係をより太くしたい。