オムロンは、高速X線CT技術と自動検査技術を搭載し、見えないはんだ接合を高速で検査するインライン型X線基板検査装置「形式VT―X700―M」=写真=を4月から発売する。
自動車分野やデジタル家電分野では、BGA/CSPなど高密度実装部品の搭載が増えている。
BGA/CSPなどの下面電極部品は接合面が見えないため、従来の可視光による外観検査では検査可能な部品が限定されるという課題があった。
また、従来のX線透過型の検査では、見過ぎ(良品を不良品として判定してしまうこと)や、不良品の見逃しなど良否判定が安定せず自動検査が困難であった。
同社のインライン型X線基板検査装置は、独自の3次元平行CT撮像方式により、両面実装基板の上面、裏面の切り分けが可能で、ハードウェアによる高速撮像、高速再構成などの高速処理を可能とする。
これにより、裏面・周辺部品の影響を受けずX線検査の完全自動化を実現。BGAの接合部など見えない部分の接合状態が可視化でき、見過ぎや見逃しを解消する。
また、検査対象部品のカバレッジ拡大で工程設計の自由度が拡大。
従来の検査対象部品のBGA/CSPだけでなく、チップ・リード部品、挿入部品、QFNの検査が可能になった。
両面一括検査やシールド後の検査、背の高い部品対応など、これまで各工程ごとに行っていた検査が集約でき、品質向上と生産性を両立することができる。
対応基板サイズは50×50~330×255ミリ。分解能(X/Y)は10、15、20、25μmで検査対象により選択可能。検査対象品目はBGA、CSP、QFN、QFPなどのリード部品、R/Cチップ、挿入部品など。