安川電機は、小型EV(電気自動車)用モータドライブシステム「YMEV(ワイメブ)」=写真=を開発し、販売を開始した。
このシステムは、同社が長年培ったモータドライブ技術を生かし、EV及びHEV(ハイブリッド電気自動車)駆動用モータ、インバータ、発電機等の電気駆動システムによって事業化に取り組んでいる一環で、2009年6月に製品化した高効率で広い定出力範囲をもつ「QMET(クメット)ドライブ」に続くもの。11年度1000台、15年度1万台の販売を計画している。
YMEVは、同社独自のIPMモータ及び高効率制御技術によって、特に低速域での高効率化を実現しており、自動車用の信頼性要求事項を満足し、EVだけでなくHEVなどの環境温度が高い用途へも展開可能。また、各種安全機能を備え、自動車のあらゆる走行シーンで安全な動作を確保できる。そのほか、要求に応じたセミカスタム化対応も可能。
なお、すでに自動車メーカー、ゼロスポーツ(岐阜県各務原市)から郵便の集配車向けの電気駆動システムとして1000台の採用が決定している。
同社は中期経営計画「Challenge100」で、新規事業の柱の一つである「環境エネルギー」事業領域での取り組みを開始しており、昨年12月にはインバータ事業部に「電気駆動システム事業統括部」を設けている。今後、インバータやモータなどを組み合わせた電気駆動システム事業への取り組みを強め、大きく成長が期待されるEV・HEV用電気駆動システム市場での多様なニーズに応えていく方針だ。