2011年3月期の売り上げは前期比30%強の増加になりそうである。上期は50~60%増の高いペースで推移していたが、下期以降受注が減少してきていることに加え、前年の同期も下期以降は回復基調になっていたこともあり、相対的に伸び率の鈍化に繋がっている。12年3月期の売り上げも今のところ同5%ぐらいのアップを考えている。
商社を取り巻く環境は、顧客の海外移転が進み国内需要の減少が大きな課題になってきている。日本製が競争力を有する半導体・液晶製造装置などのメーカーも、生産を中国など海外にシフトする傾向を強めていることから、当社も中国・上海に拠点を設け、日系ユーザーを中心に販売を展開して、空洞化の影響を抑える取り組みを行う一方、国内では営業の窓口を広げる活動を強めている。
従来から当社の強い顧客であり、内需型で産業空洞化の影響がない医療・分析関連市場の一層の拡大を図りながら、商品ではなかなか差別化をしづらい中で、「鳥居ならこれができる」といった、他とは異なる付加価値のある営業姿勢で展開できるかが大きなポイントになってくると見ており、それを徹底追求していく。その一環として、従来から、「制御とメカの融合」、「スピード化」を掲げているが、今年もこの取り組みは維持・発展させる。特にメカ部分では、技術系社員を増員するとともに、CADシステムも導入して、メカ設計から装置組立、ソフト開発、現場立ち上げまでを一貫して対応できる体制にしている。
これに一昨年設けた「営業開発課」を連携させて、新規の顧客開拓を行っていく。商社の基本とも言える「face
to
face」で顧客に接することを重視しながら、地道な市場開拓に今年も取り組みたい。