制御機器各社の業績が好調に推移している。第3四半期を終わった時点で、各社ともすべての販売地域で売上高が前年同期を大きく上回り、主力の制御機器分野も同じく伸長している。第4四半期の見通しでも、各社とも第3四半期までの動きと大きな変化がなく推移するものと予想しており、来期への期待感が高まっている。
制御機器市場は、2009年夏頃から急激な回復を見せ、昨年の秋口まで好調な動きが続いた。
11月頃に少し一服感を見せたが、年末から年明けにかけて再び動き出しており、1月から3月までの第4四半期も、このままの状況で推移するとするメーカー・商社の声が多くなっている。
メーカー各社は、新年度へ向けた方針が明るい方向へ設定されつつある。
各社の第3四半期業績によると、オムロンは売上高は前年同期比約1・2倍、営業利益は同約37倍と売り上げ・利益とも大きく回復、通期の業績予想を上方修正するなど、第4四半期も堅調な市場の動きに大きな変化はないものと予想している。
部門別売上高では、工場自動化用制御機器事業のIAB、家電・通信用電子部品のEMC、自動車用電子部品のAECの主力3事業が大きく回復しており、特にIABは前年同期比41・4%増と好調ぶりを示している。
また、地域別売上高を見ても国内が同20・6%増のほか、中華圏27・4%増、東南アジア33・8%増、北米25・9%増、欧州11・0%増と全エリアで伸長しており、特に同社が注力している中華圏と東南アジアの伸長が際立っている。
パナソニック電工もすべてのセグメントで増収増益を達成しており、電子、制御、電器がそれぞれ前年比2桁成長を継続、電材、住建も堅調な伸びを示している。特に、制御事業は同35・6%増と大幅な回復を見せている。
海外売上高は、中国29・9%増、中国を除くアジア14・3%増、欧州12・6%増、北米11・8%増と、全地域で2桁成長を継続している。
中国は内需拡大を背景に家電のほか、通信向けリレーやFA関連製品が伸長。アジアでは自動車・二輪車向けデバイス、携帯電話・スマートフォン向け狭ピッチコネクタ、半導体封止材などが好調で、インドでは配線器具を中心に売り上げが伸長している。
IDECも、製品別売上高では全部門において同30%から70%の増加を示しており、大きく回復している。特に主力の制御用操作スイッチや安全関連製品などの需要回復、さらにLED照明事業が拡大しており、通期の売上高予想を38・1%増に設定している。
地域別売上高では、国内売り上げが同45・3%増、海外では北米18・1%増、欧州82・2%増、アジア・パシフィック60・4%増、その他の地域25・0%増と全地域で伸長、海外全体の売上高も46・8%増と大きく回復している。
現在、各社とも来期に向けての計画策定の最終段階に入っているが、現時点において制御機器市場におけるマイナス要因は少なく、来期へ向け、さらなる期待を高めている。