パナソニック電工は、太陽光発電システム事業において住宅分野、公共・産業分野の両分野に注力する方針で、2012年度に国内トップのシェア獲得を目指す。また、LED照明事業も電材・住建・電器の3ルートで拡販を行い、15年度には1000億円の売り上げを目指す。
同社は、昨年から本格的に太陽光発電システム事業に参入を開始。7月に世界最高水準のモジュール変換効率16・8%を実現した、住宅用太陽光発電システムを発売。優れた温度特性により夏場の高温時でも高出力を確保するシステムとして好評を得ている。
また住宅用に続き、三洋電機製の太陽電池を採用した、公共・産業用太陽光発電システムの発売も開始。多結晶タイプの太陽電池モジュールで、1枚あたりの最大出力が208・4W、モジュール変換効率が14・3%とコストパフォーマンスに優れたシステムで、公共施設や産業用施設に向け販売を拡大している。
太陽光発電システムは、スクールニューディール政策や昨年4月の改正省エネ法の施行により、ビルや工場、店舗などでの導入が加速しており、同社の太陽光発電システムの売り上げも飛躍的に拡大している。今年1月には住宅用に高効率変換多結晶タイプのモジュールを搭載したシステムを発売。日本に多い寄棟屋根に適するよう約20%の小型化を図り、同時に低価格を実現、注目を集めている。
一方、LED照明事業は、住宅分野、店舗・演出分野、ビル・オフィス分野、景観・道路分野など全体で1100品番を超える品揃えで、照明器具メーカーとして総合力を発揮。同事業も住宅分野、非住宅分野万遍なく製品を開発・販売する方針で、10年度は器具全体売り上げの10%獲得、15年度に1000億円の売り上げを目指す。さらに、三洋電機とのシナジー効果を図る製品として、昨年10月に三洋の単結晶系ハイブリッド型太陽電池モジュールと、リチウムイオン電池を一体化した蓄電ユニットを搭載したLED街路灯を発売。三洋のデバイス技術と、パナソニック電工のLED照明器具技術を組み合わせ、業界をリードするソーラー街路灯の開発・販売を強化している。
一方、同社の第3四半期決算は、海外すべての地域で売り上げが2桁成長を継続、特に中国では前年同期比29・9%の伸びを示している。また、すべてのセグメントで増収増益を達成しており、特に電子・制御・電器部門はそれぞれ前年比2桁成長を継続している。
長榮周作社長は「パナソニック・グループに再編後も当社が独自に持つ強みを発揮し、グループ全体の右肩上がりに貢献していきたい」とコメントしている。