東芝の米国現地法人TICは、ワシントン首都圏交通局(WMATA)向け地下鉄電車用駆動システム及び車両情報システムと、北東イリノイ州地域公社(METRA)向け2階建て電車用駆動システムをそれぞれ受注した。
WMATA向けは、川崎重工の米国現地法人KRCがWMATAから車両一式を受注した428両分(受注364両と別途内示分64両含む)の車両用モーター、インバーター、ギアなどの駆動システム及び車両情報システム。なお、今回の契約には、オプション(最大320両分)が付随しており、オプションがすべて行使された場合の総契約数は748両分となる。
また、METRA向け受注は、日本車輌製造と米国住友商事を主契約者として、METRAから日本車両に2階建て電車160両分のモーター、インバーター他駆動システムを納入する。いずれも製造は、大半をTICで行う計画で、WMATA向けは2012年1月から、METRA向けは11年10月から順次納入を予定している。
米国では、ワシントンやシカゴなど都市交通の既存電車の更新や高速鉄道の新設などにより鉄道車両に対する需要が高まっており、15年までに電車案件だけでも6000両以上の新規購入計画が見込まれている。
同社は、交通システム事業における海外売上比率を09年度の約4割から15年度は約7割に引き上げる計画で、今後も市場規模の拡大が見込まれる北米地域を重要地域の1つとして位置づけ、受注活動を積極的に展開、交通システム事業の15年度の売上高2000億円以上を目指す。