端子間ピッチ8ミリというスペース効率の向上を図った、断路端子台も各種のプラントで採用されている。前述のLED搭載タイプなどもメンテナンスを容易にするといえる。加えて、過酷な使用条件に対応するため、端子台の材質に耐油・耐薬品性の高いものを採用した製品が伸長している。
端子台市場は、国内メーカー、欧州メーカーに加え、最近は韓国や中国メーカーも参入し、グローバルな販売競争が激化している。中でも欧州メーカーは独自構造をポイントに攻勢を強め、実績を上げている。
コネクターは、携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、DVD、薄型テレビなどのデジタル機器分野や、アミューズメント分野、さらに自動車分野が牽引しているほか、半導体・液晶製造装置、工作機械、ロボットなどの需要も大きい。加えて、デジタル放送関連やセキュリティ分野、移動体通信基地、新エネルギー関連分野などでも市場が拡大している。
最近のコネクターの傾向は、超小型・スリムサイズ、低背化、最軽量化、SMT対応、カード用コネクターの増加などが目立つ。また、接触の安定性確保、環境・作業性に配慮した結線方式採用の取り組みも進んでいる。
安全ニーズに応えた、セーフティタイプのコネクターも浸透している。配線の接続作業時や計測業務時、あるいは配線接続部分での不用意な接触事故などを未然に防ぐ構造となっているのが大きな特徴で、工場、研究室、学校など様々な分野で使用されている。
産業機器分野で普及が期待されているのが、工作機械や半導体製造装置などで使用されるセンサを繋ぐコネクターである。機械・装置で使われるセンサは多種あり、メーカーによって使用されるコネクターも異なっている。そこで、コネクターの標準化を図ることで、配線工数や在庫コストなどを削減し、トータルコストのダウンに繋げようという取り組みが進んでいる。
コネクター市場もグローバル化に伴う販売競争の激化から、メーカーの再編が行われており、端子台同様に特徴のある製品・営業展開が鍵を握りそうだ。
ケーブルアクセサリーや配線ダクトは、配線接続機器を陰で支えているが、最近では端子台、コネクターの需要増と比例するように用途拡大が進んでいる。特に、ケーブルアクセサリーは、デジタル家電や自動車向けを中心に堅調に推移している。
ケーブルアクセサリーや配線ダクト分野でも環境対策が進んでおり、環境負荷の大きい有害物質の排除に向けたエコ製品の開発や再利用できるタイプの開発が進んでいる。「リユース、リサイクル、リデュース」の3Rをコンセプトとした環境負荷低減、環境循環型の製品のほか、ケーブルと取り付けベースを一体化した製品など高付加価値製品が登場している。
配線接続機器市場は、幅広い分野にわたっており、確実な需要に支えられている。海外メーカーの参入も活発だが、国内メーカーでは日本製としての高品質面を訴求しており、コスト面でも海外製品に負けない製品の開発に注力している。また、新興国向けには機能を限定したローコストの製品が開発されており、高機能タイプとローコストタイプの2本立てでの製品展開が行われている。