日本産業機械工業会がまとめた産業機械の2011年度(平成23年度)の受注見通しは、対前年度比5・2%増の5兆2595億円となっている。
内需は、民需、官公需とも微増・横ばいの対前年度比1・0%増の3兆1046億円。このうち民需は、製造業の海外生産シフトに伴う国内投資の抑制や、増加基調だった電力業からの受注も一服する可能性があるものの、高付加価値品の生産に向けた既存設備の改造や、コスト競争力を一段と高めるための省エネ・省力化投資等が増加することを期待し、前年度実績を若干ながら上回る。
官公需についても厳しい需要環境が続くが、バイオガスや下水・汚泥処理、ごみ処理等での未利用エネルギーや資源の回収といった新技術・製品の導入等が促進されることを期待し、前年度実績を若干ながら上回る。
一方、外需は、新興国や資源国向けの増加により、対前年度比12・0%増の2兆1549億円。円高の影響や海外メーカとの競争激化等により受注環境は厳しさが増すものと予想される。しかしながら、世界的な環境意識の高まりの中、わが国の産業機械の優れた新エネ・省エネ・環境保全に関する技術や製品、サービスの需要は底固く推移する。
また、新興国・資源国における都市インフラ整備、資源開発、工業化投資等の拡大や、わが国の官民一体となったパッケージ型のインフラ整備の展開等による需要増も期待している。その他、日本企業の海外生産シフトに伴う需要も増加すると見ている。