デジタルサイネージ市場が急速に拡大13年には1000億円規模に

デジタルサイネージの市場が拡大している。デジタルサイネージ(Digital
Signage)は、表示と通信にデジタル技術を活用し、平面ディスプレイやプロジェクタなどに映像や情報を表示する電子看板や告知・広告媒体などのデジタルコンテンツ配信システムである。

ディスプレイの発展とネットワークの普及に伴い、新しい告知・広告、コンテンツシステムとして市場を形成。さらにハードの低価格化、配信コンテンツの充実・標準化に伴い、現在では、屋外を中心に交通機関の案内表示、店舗の広告や商品説明、市役所や病院など公共施設のインフメーション、ショールームの大型ビジョンなど、家庭以外の場所で情報を発信するシステムとして急速に普及している。市場規模は2010年で600億円前後に達しており、13年には1000億円、15年には1200億円から1300億円に達する見込みで、テレビ、パソコン、携帯電話に次ぐ第4のメディアとしても注目されている。

デジタルサイネージの特徴は、デジタル通信ネットワークを使いリアルタイムでの操作が可能で、内蔵記憶装置に多数の表示情報が保持できる。表示される内容は随時配信・変更が可能で、必要時には秒単位で表示内容を切り替えたり、動画表示を行うことが可能で、多様な映像、告知・広告を展開することができる。

また、テレビCMのように不特定多数に同じ広告を流すのではなく、設置場所の地域性を考慮した視聴者層や特定層をターゲットに焦点を絞った広告メッセージが発信できる。

最新情報が提供できるので視聴者の注視度が高まると同時に、設置地域に即したリアルタイムなキャンペーンなどの情報配信も可能である。さらに、ポスターやロールスクリーン看板のように印刷物の取替えの手間がかからない。

FA業界での導入事例で成果を挙げた例では、自動車生産ラインの「アンドンシステム」に画像配信機器を導入。管理室のPCから各工程に設置された大型モニタに、生産状況や生産指示を配信することで、リアルタイムに変わる生産状況が現場で共有でき、稼働率アップに繋がっている。

鉄道関連では、指定席の予約情報を駅周辺に設置した大型モニタに表示。発券場に行くまで乗車したい列車情報が確認でき、スムーズな発券が可能となった。

また、JR東日本は首都圏を中心にデジタルサイネージの設置を進めており、映像メディア「J・ADビジョン」として積極的に展開している。

産業用パソコンメーカーでは、高信頼性、摂氏0度から50度まで耐えうる耐環境性、描画能力、さらに省スペースという産業用コンピュータを提供している。

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