製品安全試験認証サービスなどのテュフズードジャパン(東京都新宿区西新宿4―33―4、TEL03―3372―4821、アンドレアス・シュタンゲ社長)は、鉄道技術関連サービス事業を推進する。
地球温暖化現象や環境への配慮、エネルギー消費効率向上の観点から、世界的に鉄道輸送への需要と期待が高まっている。従来、鉄道が普及していなかった地域でも、国家レベルで高速鉄道網や地下鉄網の整備が計画されており、関連する企業では、世界標準に合わせたドキュメントの準備や、システマチックな評価への対応が急がれている。
鉄道事業に関しては鉄道制御技術や信号技術、鉄道車両、ブレーキ技術、インフラ整備などが挙げられ、従来型鉄道から高速鉄道における仕様・設計から廃棄に至るまでの全ライフサイクルでの安全試験や安全評価、さらに技術サポートが求められている。同社は、これらすべての分野において、独立安全評価(ISA)サービスを提供するための認定をドイツの鉄道局(EBA)のほか、多くの国々から受けている。
さらに、公認機関であるRailcert社(テュフズードとMovares社が共同所有する子会社)などをパートナーに、鉄道輸送システムの相互運用性を確保するあらゆる面に有効なソリューションを提供することができる。
同社のメリットは、ドイツで培われた高い技術力と豊富な知識で、顧客を国際市場に導き、日本人スタッフにより顧客と国際標準を有効的に繋ぐ。
これに加え、世界で600拠点以上ある同社グループのグローバルなネットワークを駆使し、日本古来の安全性への考え方・手法を熟知したドイツエンジニアと日本人スタッフのサポートにより、顧客のプロジェクトを強力にバックアップする。
先日開催された「鉄道関連、欧州法規制・規格認証ベーシックセミナー」では、世界基準の認証取得の必要性など、鉄道関連製品の海外進出に必要な法規制や規格認証を分かりやすく解説。車両メーカーや車両搭載機器メーカー、インフラメーカー、さらに鉄道運用事業者など30社以上の鉄道関連企業・団体が参加し盛況裏に終了した。
同本セミナーでは、国際的に影響力の強い欧州法規制(EU指令)の枠組みや、認証におけるベリフィケーションとバリデーションの定義などを説明。さらに、欧州鉄道局が定めるTSI(相互運用のための技術仕様)と欧州規格、各国要求の関わりなどを具体例を挙げ解説を行った。
特に、TSIへの準拠と、そこから引用される欧州規格に基づき製品の安全性を証明することは、欧州市場のみならず、世界各国の鉄道プロジェクトに取り組むため、今後さらに求められる傾向にある。また、鉄道業界に特化したマネージメント規格(IRIS)に関しても説明を行った。
同社では、今後鉄道関連製品の海外進出をサポートするために必要とされる「防火サービス」のセミナーやトレーニングなど、製品認証だけでなく幅広いサービスを提供していく方針である。