東日本大震災の復旧需要出始める 電源・配線関連で品不足配電盤・制御機器にも影響 変圧器・開閉器は納期未定

東日本大震災から1カ月。復旧需要が出始めた。電気・通信などインフラ整備に伴う送電・受電・自家発電関連が主体であるが、配電盤、制御システム、制御機器の需要にも動意が見られる。ただ、すでに始まった電線、化学材料、電設資材の品切れは、配電・制御システム、制御機器などの生産に影響が出そうである。高圧受電設備、変圧器・開閉器では納期未定の事態も起こっている。
被災地ではインフラの復旧作業が急ピッチで進んでいる。都内の大手通信・電気工事会社では関東の人員100人を被災地に派遣している。現在、復旧工事の範囲は送電から電源設備へと広がっている。

非常用発電装置の電源切替器メーカーでは、地震後に注文が急増し休日返上で増産している。また、電機大手ではオイルトランスなど高圧変圧器を被災地に優先して供給しており、他の地域向けの納期は未定になっている。仮設盤やキュービクルも、注文が増えている。3Pブレーカーなど大容量の開閉器も納期遅れが目立っている。こうした状況は、電線の入手難が一因でもある。

ある電設メーカーは「電線をかき集めている」。

被災地の電線工場、被覆材の化学工場の閉鎖が影響して電線は品切れ状態であるが、電線卸会社は在庫の電線を全て被災地向けに供出した。関東以西の注文に応じられないという。

先行き見通しに対しても不足解消までには1~2カ月かかるとの予測もある。

配線器具、照明器具も完全な品薄状態である。

化学工場の被害による影響は電線被覆材、半導体、コンデンサーなどにも及んでおり、スイッチング電源、インバータ、PLC、表示器などの生産に支障を及ぼし、また、今後及ぼしそうである。

復旧から復興、振興へ需要は受電関連から配電、分電、電気制御へと広がるが、電線、部品などの不足により復興が遅れることも懸念される。それだけに、原材料の手当てが急務になっている。

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