東日本大震災でもっとも被害が大きかった岩手、宮城、福島各県の電子部品・制御機器・機械器具・電設資材商社の業務再開が相次いでいる。物流が復活し、燃料不足も解消した現在、各社は営業訪問に取り組み、受注も回復傾向にある。仕入先メーカーも支援内容を食料、トイレットペーパーなどの物資から商品供給、同行営業へと変えてきている。3県の商社に再開状況を聞いてみた。
▽三機商事(盛岡市)=通常通り営業。取り扱い製品もほぼ通常通り入ってきている。
▽高進商事水沢営業所(岩手県奥州市水沢区:旧水沢市)=通常通り営業。輸送のトラックも通常の動きになってきた。
▽太陽電機(岩手県花巻市)=通常通り営業。3月までは多少の混乱もあったが、現在はほぼ元通りの状況になってきた。メーカーからの入荷は、今のところバラツキがある。
▽ネオフレックス(仙台市)=通常通り業務を行っている。配線資材などを取り扱っているが、当社はグループ企業なので、必要な製品はグループ内で上手く調達でき、物の流れは大丈夫である。
▽東栄科学産業(仙台市)=通常通り営業。物資についての支障はない。放射線測定器を取り扱っており、原発の事故以来入手できない状態だが、そのほかは大きな滞りはない。関東系のメーカーと取引が多いが、各メーカーとも親身になって対応してくれている。物流については、新幹線は動いていないものの、ガソリンは不足しておらずトラックは大丈夫である。
▽東日本伝導機(仙台市)=業務を再開し以前の状態に戻りつつある。仕入メーカーからは物資支援をもらい、営業社員も頻繁に来てもらっている。
▽新桜井電機(仙台市)=地震後1~2週間は仕事ができる状態ではなかったが、それからは業務を再開した。仕入も3日程度で入るようになった。ただ、ケーブルが不足し、配線器具、照明器具もすぐに必要な分量はどうにかしてもらっているが、品不足気味である。メーカーは、毎日何社かは支援に来ている。
▽アスカ電子(仙台市)=地震の翌週から再開した。仕入も現在のところ問題ない。4月4日の週からガソリン不足が解消し営業も本格的に行っている。
▽東北東技(仙台市)=地震後2週間から営業を再開した。物流も良くなり、メーカー在庫の商品は入手できている。お客様の注文も徐々に回復しつつある。
▽明和電器産業(仙台市)=再開している。ガソリンが入れられるようになり、営業も活動している。品物も入ってきているが、メーカーに対して品物を切らさないように今後ともして欲しい。
▽ラプラス(仙台市)=早くから再開できた。燃料不足が解消し、営業も客先訪問をできるようになった。物流も動いている。
▽東武機器(仙台市)=3月18日から電話が開通したので22日には再開した。3月は確かに物流問題があったが、今は正常になっている。受注も徐々に戻りつつある。
▽宏業電気(仙台市)=営業を再開している。商品の入手もできるようになり、また、注文も通常までは届かないが、それでも増えつつある。
▽植松商会(仙台市)=全営業所が業務を再開した。ただ、交通事情によりお客様に製品を届けるうえでまだ正常とはいえない。
▽ニノテック(郡山市)=一部建屋などに被害を受けたが、4月から通常業務を再開している。
▽初瀬電材(郡山市)=通常通り営業。全体の動きは通常の70~80%まで戻ってきたが、メーカーによっては入荷困難なものもある。また、電材関連では電線を覆う樹脂製の被覆材の入荷が遅れている。
▽岡田電気産業(福島県いわき市)=通常通り営業を行っており、物流関連も大きな問題はないが、取引先メーカーの工場が被害に遭っているところが多く、地震以前の状態に戻るのは、かなり時間がかかりそうである。ただし電線はたくさん入ってきている。
▽植田電機(福島県いわき市)=通常通り営業。富士電機の特約店だが、細かいところは別にして、メーカーからの納期遅れはなく、ほぼ通常の状態に戻っている。ただし今後、急激な需要が出てきた場合、状況がどうなるかは分からない。
▽東日本電子計測(仙台市)=通常通り営業を行っている。物流の動きはほぼ通常通りで、短期の物件は大丈夫である。長い目で見ると、まだどうなるか分からない。