分岐点

「水」は生物の命の源泉であるといわれる。胎内の羊水で人の生命が育まれる。電気もまた、水でおこされる。福島原子力発電所の放射能漏れで俄然、復水器が注目されるようになった。蒸気を水に変える復水器の水がなくなるとタービンを回すことができなくなるため、発電所には設置されている。

東日本大震災による被害は、全国の製造業にまで及んでいる。必要な数量だけ必要な時に供給する生産体制において、一種の「水」の循環システムが機能しなくなり、ものづくりが途絶えた。品切れは素材から部品、機器へ、そして最終完成品にまで及び、正常化するまでに、数カ月を要する製品もあるといわれる。

生産のカンバン方式そのものは効率化に凄い力を発揮し、利益を生む。しかし、復水機能が欠如すると、脆くなる。PLC、インバータ、スイッチング電源など制御機器もカンバン方式を取り入れているところでは、生産がストップ状態にあり供給できない。品切れは即、顧客離れにつながるのでメーカーとしては深刻である。

その対策としてカンバン方式に復水機能を備えたプール・復水方式を提案したい。役割を担えるのは全国の商社しかない。今回の震災で商社の必要性を改めて切実に感じたのではなかろうか。全国の商社に在庫が分散していれば、生産復旧までの時間を稼げる。商社はまさに、「製造業の水」である。

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