三菱化学と子会社の三菱化学メディア(東京都港区、大塚重徳社長)は、世界で初めて色と明るさを自由に変えることが可能な調色・調光型有機EL(有機エレクトロ・ルミネッセンス)照明パネル「VELVE(ヴェルヴ)」=写真=を開発した。
4月に光源モジュールにフレーム・電源・制御用ソフトなど基本回路を組み込んだサンプルキット(価格9万円前後)として発売、7月には駆動回路や制御回路などに組み込んだ光源モジュールとして発売を開始する。より快適な生活空間をつくる照明として用途開拓を積極的に行い、2015年度に売上高300億円を目指す。
同社が開発した有機EL照明パネルは、パネル上に微細な赤・緑・青の発光部があり、この発光量を調節して色を変えることが可能。時間帯によって光を変化させることができ、より快適な照明空間をつくることができる。パネルサイズは世界最大級の約14センチ四方を実現。世界初のフルカラー調色を可能とし、輝度は1平方メートル当たり1000カンデラを実現。明るさは100%~0%の調光が可能で、寒色系から暖色系まで多種多様な白色が表現でき、ソフトな光で目に優しいなどの特徴を持つ。
人の生体リズムに対応した光の変化を調色・調光機能で実現でき、例えば活動的な時間帯は爽やかさを演出するクールホワイト、落ち着きを持ちたい時は暖かみのある色と明るさを選ぶことができる。
また、一般的に有機ELパネルは蒸着プロセスを採用するが、世界最大級のパネルサイズを実現するため、有機EL層を構成する下地層に塗布技術を採用している。
同社では、14年までに塗布型材料の開発と量産による低コスト化を実現し、15年度に有機EL事業全体で300億円の売り上げを目指すとしている。