自動認識大手の東研(春山安成社長)は、近くで広範囲な読み取りができる技術を開発、省スペースを実現した固定式近距離広角レーザスキャナ「TLMS―5600RV」=写真=を発売した。これまで困難であった狭い場所での取り付けを可能にしたことから、固定式レーザスキャナの普及に弾みがつくものと見られる。
近年、固定式レーザスキャナの採用が増えているが、読み取り距離が長いため、コンベヤなどに取り付ける際、特別にスペースを考慮する必要があった。
そのため、同社では近距離で広範囲に読み取れる技術開発に取り組んできた。スキャナ面から僅か50ミリの距離で200ミリのバーコードを読み取りできるようになったことから、固定式近距離広角レーザスキャナTLMS―5600RVを発売した。新技術は特許を出願した。
スキャナ本体も外形寸法がW92×H142×D48ミリと小型で奥行きも短いため、狭い場所での取り付けを可能にしている。
また、機器の設定も現場で本体のパネルで確認しながら簡単に操作できる。しかも、導入時や設定変更時など大量のスキャナを操作する場合でも、従来のような設定器やパソコンを現場に持ち込む必要がなく、設定値のUSBメモリを差し込むだけといたって簡単である。
LANで接続することで、リモートの監視や設定変更が随時でき、事務所で行えることも特徴である。
同社では「近距離で読み取れるうえ、小型なために、コンベヤ周りのムダなスペースが不要になる。これまで、現場の担当者を悩ませてきた機器設定も簡単である」と、マテハン設計者のニーズを追求して実現した使い勝手の良い製品とし
て高い評価に期待している。
主な仕様は次の通り。
▽レーザ出力=2ミリW以下class2▽走査方法=ポリゴンミラー▽最小バー幅=0・25~1・0ミリ▽スキャン回数=600Scan/秒▽入力電圧=DC12~24V▽保護構造=IP54▽重さ=600グラム。