安川電機は、関東地区のロボット事業強化を目的に、さいたま市に「関東ロボットセンタ」(仮称)を、今年9月に開設する。この施設では、「来て・見て・触ってロボット体験」をコンセプトに、ユーザーに実機を使ったデモやテストを通じて、一層ロボットへの理解を高めてもらうことを目的にしており、ソリューション用ロボット約20台のほか、操作を覚えるための教育用ロボット5台などをそろえ、ロボットを使った自動化設備の設計・製作を請け負うシステムインテグレーター(SI)への情報提供や教育などSIとの関係を強化する。
また、ユーザーニーズへの即応力を高めることで新市場の開拓も加速する。特に、一層の自動化拡大余地のある食品、医薬品、化粧品市場などでのハンドリングロボット市場の受注拡大を図るとともに、同施設に営業機能を集約し、営業員、技術員一丸となった提案活動、技術相談、実機を使ったソリューションテスト、各種教育などのビフォアサービスを強化する。同時に、ビフォアサービスを中心とした対応から、お客様ニーズや将来構想などの情報を収集し一元化することで、開発部門との情報共有を行い、情報の収集・蓄積、分析、活用といったマーケティング機能の強化を製・販・技一体となって推進し、高度化・専門化するお客様ニーズを適切に反映した製品開発を行い、自動化の拡大余地のある産業分野への提案・拡販などロボット適用分野の拡大を狙う。
社員は約70人で、営業関係50人、技術・テスト関係20人の予定。
同社はロボット工場のある北九州にも同様の施設があるが、関東地区にはいままでなかった。さいたま市は東日本全体へのアクセスも良く、ユーザーにも近いことから立地した。
同施設は新築する建物ごと賃借するもので、11日に現地で地鎮祭を行い、8月下旬に竣工する。投資額は約5億円。
なお、同施設屋上に太陽光発電設備を設置して環境への貢献を図るとともに、一般公開日などを設け、地域貢献の活動への参加を考えている。
さらに、ロボット製品だけでなく、サーボモータ、サーボパックやインバータなど、同社のモーションコントロール製品の展示も行う予定。
所在地はさいたま市北区宮原町2―77―3。
規模は、敷地面積2119平方メートル(641坪)、建築面積835平方メートル(252坪)、延べ床面積2518平方メートル(761坪)。