最近、取材先で逆質問されることが多くなった。東日本大震災の業績への影響度合いが測りきれず、来年3月期の売り上げ計画を難しくしている。各社はどのように予測しているか、機械装置メーカーの生産計画が狂ってきたのではないかなどである。
工作機械、半導体・FPD製造装置もまた、苦慮している。輸出比率が高い産業だけに海外メーカーとの競合が激しい中で、PLC、インバータ、モータコントローラ・ドライバ、制御盤などの納入遅滞により、計画通りの生産がままならない。海外の装置に代替えされる懸念が出ているという。
川上産業の震災による打撃は川中産業から川下産業へと波及し、被害を大きくしている。川中のFA制御機器も基板洗浄液の不足、特定のマイコン、電子部品の入手難に見舞われている。制御機器、駆動機器が立ち直るのは第4四半期との説もある。マイコンは自動車向けが最優先され、FA制御機器業界はその後になる。代替品でも品質チェック、ソフト変換など3カ月を要するためだ。
FA制御機器の品不足が長期化すると見込んだ仮需が3月中旬から発生。工作機械、製造装置メーカーが部品・機器調達へあちこちに注文を出しているためで、商社は受注増の一方で震災の影響を受けていない機器の納期先延ばし要請も顧客から来ている。仮需が業績予測をさらに難しくしているようだ。