バーコード、RFID、バイオメトリクスなどの自動認識機器は、「省力・効率」に加え、「安心・安全」と「品質」に対する関心の高まりの中で着実に市場を拡大している。製造履歴を管理するトレーサビリティ化や、物流合理化に繋がる自動認識機器・システムは、景気動向に関係なく投資が拡大している。また、トータルコストを削減する上でも自動認識機器の活用が有効との意識も高まっている。
バーコード関連製品では、FA分野に加え、物流、小売、食品関連、医療で普及が進んでいる。バーコードを読み取るスキャナも、レーザー方式やカメラ方式などが用途によって使い分けがされているが、いずれも読み取りの高速化、読み取り精度の向上などが著しく進んでおり、ユーザの信頼性確立に繋がっている。
RFIDでは、電波法など関連規制の改正から、使い易さが年々向上している。設置場所の制約が比較的少ないことに加え、ワイヤレス化の特徴から、FA分野でも導入が進んでいる無線機器と併用した形で、使い分けも行われている。
バイオメトリクスは、安価で安全な指紋認証を中心に、官公庁、大手企業での内部統制用としての導入、PC関連、携帯電話等での個人認証として利用が進むものと見られている。
自動認識システムは、産業用から民生、家庭まで需要裾野が広いことが大きな特徴であるが、産業用途では、トータルコストの低減と信頼性の向上、製造トレーサビリティの確立など多岐にわたる効果が期待されており、さらなる普及が進むものと見られる。