市場は東日本大震災で活況の様相を呈しつつある。東日本地域を中心に社会インフラ・生産インフラ復旧復興需要が伸び出した。震災を契機に、ユーザーニーズは標準ボックス・ラックに移行、しかも耐環境性を重視する傾向が全国規模で強まっている。そのため、メーカーはより一層、標準品の充実を図りカスタム需要層を取り込んでいる。さらに、品質・機能面で熱やEMC、耐震性、防塵・防水性、CO2削減など環境対策を講じ、汎用市場にマルチ対応している。
標準ボックスは情報通信用、制御盤・操作盤用、計器収納用、仮設用、中継用など用途が広い。オプションも充実し、カスタム品に近い品種が選定できるようになった。
大震災復旧復興で標準品が採用される。標準化による量産で入手し易く、安価格であることが需要を押し上げている。「品質・気密性・強度・環境保護対策、時には海外規格取得まで考慮すると、標準ボックスの利用価値は大きい」という。
一方、ラックも多種類が用意されている。情報通信機器収納、小型、防塵・屋外用、放送・映像用、医療機器用、データセンター用、オフィス用など用途ごとにシリーズ化されている。材質もスチール製、アルミ製、樹脂製、鉄製などある。
メーカーでは耐震性、拡張性、施工性、熱対策、セキュリティ、CO2削減などを講じた製品開発に注力している。
また、今回の大震災で耐震ラックの評価が高まっている。「ラックの倒壊は少ない。メーカーは阪神淡路大地震の教訓を製品に生かしている」(東証1部通信工事会社)。