一般家庭では電気を契約以上に使うとブレーカが落ちてしまうが、高圧受電契約の場合はブレーカが落ちることはなく、契約電力は使い方(デマンド)に応じて変動するからだ。そこで、電気の使用量を監視しながら、このデマンド値をなるべく低くすることできるデマンド監視機器が普及している。
デマンド監視システムは、電力会社を通じて電力計に電力パルス検出器を取り付け、電力パルス、及び時限パルスを検出することで始められる。しかし、電力の使用状態は判っても、それを表示し活用するためには通信機器やソフトなどが必要だ。そのひとつがI/Oシステムにパルスを取り込むもの。親機と子機を使い、親機がカウンタモジュールとデジタル入力、子機は3ビットにデジタル出力が可能。親機だけでも監視できるが、子機を使用してデマンドの状態を知らせる表示灯などを動作させることに使える。子機はLAN上で複数台つなげ、工場内のフロアごとに設置したり、離れた場所に設置する事も可能。したがって、複数の場所で同じデータに基づいて警告信号を共有し、全員参加でデマンド値を下げることもできる。パソコン上でも特別なソフトをインストールすることなしにWebブラウザだけで監視することもできる。また、データ記録機能や、過去とのデータ比較などもブラウザ上で・確認操作でき、温度データの表示をしたりする変更などをユーザレベルでも行える。(図2)
デマンドの目標値は3段階に設定可能で、現在のデマンド状態から30分後の電力量を予測する。設定値の入力はWebブラウザで簡単に入力でき、運用に合わせて任意設定もできる。
設定後は予想される電力量に応じて表示灯を、緑・黄色・赤の3段階で点滅・点灯させることで、担当者や近くにいる人にデマンド状態を常に知らせられる。特に、黄色や赤のランプが点等したらすぐに節電への対応をする事でピーク値の抑制が可能になる。同時に、社員に電力消費状態と節電の意識を持ってもらうのにも効果がある。
(図3~5)